感情。
今日、家族とのやり取りで酷く心が荒れた。
泣き、手の甲に爪を立てながらドロドロとした感情に飲み込まれていく。
怒って、恨んで、悲しんで、心の中をドロドロとしたものが侵食していく。
そして頭の中でもう1人の私が勝手に喋る。
「私が居るからいけないのか」
「私が悪いのか」
要らないと思った。
喜怒哀楽全てが邪魔だと思った、感情さえなければ苦しまずにすむと。
そして、ネットで「感情の消し方」と検索した。
そこには「人間を去勢された豚だと思え、関わる必要は無い」とあった。
なるほどと思った、最初は。
時間が経ち、ドロドロとした感情がゆっくり消えて行くにつれて、人を豚だとは思えないと思った。
曲がりなりにも私にだって大切だと思う友達がいて、面白いなと思う人達だって沢山いる。
とても豚だとは思えない。
結局のところ、私はどうしようもなく人間が好きなんだ。
愚かで浅はかな人間が、自分も含めて。
愚かだからこそ美しいと思うこともある、だからどうしても人間を嫌いにはなれない。
自分の感情を捻じ曲げることはできなかった。
私はつまるところ私なのだと思った、大嫌いな私が大切にしているものを、否定することが出来なかった。
唯一人間だけが持つ、大切なものを。