「明るい子だね」
子供の頃からよく人にそう言われた。
同級生のお母さんから、地元のおじさんおばさんから、いろんな人に言われた。
でも全然嬉しくなんてなかった。
本当はそんな人間じゃあないことを知っているから。
「お喋りで元気な子」
違う、本当に話したいことは沢山ある。
でも話せない、面と向かっていると自分の気持ちを話せなくなる。
どうでもいいことを適当に喋って、適当に嫌われない程度に振舞っているだけ。
自分がなりたい人間とはかけ離れていた。
こんなんじゃない、私の嫌いな自分にどんどんなってゆく。
ネットでは話せる、リアルでは言えないことを。
聞いて欲しくて、知って欲しくて。
でも、観覧者0。
誰にも見られてないことに、ほっとする。
「いつか誰かに気がついて欲しいな」
「誰にも知られたくない、見られたくない」
決して交わらない矛盾した欲望が2つ、今夜も私の中で噛みつき傷つけ合って、戸愚呂を巻く。
この2匹は私の大切な、宝物。