家族じゃなかった。
私はお風呂に入るのがとても苦手で。
入るまでに心の準備が必要で。
だから、入らない日も何日か続く。
母親は「臭い」といつも注意する。
そんな日々が続いて嫌気がさしたのか、ある日から私の晩御飯だけ用意されなくなった。
LINEで「お風呂に入ってください、匂いが気になります。家族になら何をしてもいいんですか?」とメッセージが来た。
「家族になら何をしてもいいのか?」という文を見た時に私は母が憎いと思った。
お風呂に入らない私が悪いのは分かっている。
頑張れなくて申し訳ないと思ってる。
でも母からは言われたくなかった。
あなたは私に子供の頃から無神経な言葉を沢山言ってきたよね。
怒鳴れば言うことを聞くと思っていて、叩けば黙ると思っているよね。
ずっと、私はそれに耐えてきたのに。
貴方がそれを言うんだ。
そんな険悪な日々が続いて、2人で買い物に行った帰り道。
「早く用事済ませて、家族の晩御飯作らなくちゃいけないんだから」
そう言われた。
あぁ、その家族の中に私は入っていないんだろうな。
そう思った。
案の定その日も私のご飯は用意されていなかった。
私自身も生きるのが上手くないし、それに付き合わせて申し訳ないと思っている。
だからなのか、私の家族は私に欲しい言葉をくれない。
家族の愛が分からない。