甘さ。
今ここから出ようとしないのは、覚悟を捨て、勇気を捨て、何も見ず聞かず、未来を諦め、弱い人間のままであり続けているのは、償いたいから。
過去に犯した過ちのその罪の重さを知り、償いたい。
誰からも責められず咎められもせず、罰すら与えてもらえないのなら、自らに罰を与えよう。
他にも理由はあるけれど、私がここから出ない一つの大きな理由だ。
弱いままで、中途半端な不幸の中で、自分に罰を与えている。
つもりだった。
なんて烏滸がましいのだろう。
「弱いままでいることで、人に許されようとするな。」
私のやっていることは、償いなんて立派なものなんかじゃあなくって、ただの自己満足だったんだ。
分かっていた、今私のやっているとこが何のみいもなさないことを。
償いどころか、戒めにもなっていないことを。
これはただの甘えだ、浅はかで愚かしい行為だ。
本当に自分に罰を与えたいのなら、ここら外へ出て苦しむべきなんだ。
ここにい続けて感じる苦しみとは引けにならないほどの苦痛を、苦渋を味わうべきなのだ。
本当に私は、自分に甘い。
詰めが甘い。