ずっと特別が欲しかった。
私だけの特別、誰も持っていない私だけの。
でももう私は特別を持っていた、誰も持っていない私だけの特別。
違う、私が欲しかったのはこんな特別じゃあない。
人に自慢できたり、自分の誇りになるようなそんな特別が欲しかったんだ。
こんなんじゃあない。
これは、こんなのは私を惨めにする特別だ。
私を苦しめて傷つける、これじゃあない。
いらない。
こんな特別ならいらなかった。
普通がいい、普通が欲しい。
皆んなと同じ平々凡々でいい。
なんの特徴もない普通の人間になりたかった。
ただ有り触れたものが欲しかった。